RACING
ROUND FUJI-SPEEDWAY
6月15日(日曜日)天候 晴 路面 ドライ
過酷な条件下の中見事4位入賞!

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 全7戦のスーパー耐久シリーズ2008。
早いもので迎えるは第3戦、前半戦の締めくくりとなる一戦は静岡県の富士スピードウェイを舞台に開催された。

前戦・仙台で初優勝を飾った「オーリンズ・ランサ
ーEVO X」。しかし富士スピードウェイは正直なところ厳しい戦いが予想されていた。

その理由、一つ目は車両重量。エボリューションIXよりも100kg 以上重いエボリューションXゆえ、パワー勝負の面で厳しい部分がある。二つ目はトップスピード。市販車と同じトランスミッションを使うスーパー耐久の場合、ギア比の関係でトップスピードがエボリューションXよりも10km/h ほど低くなってしまうのだ。もう一つ、燃費的なハンディもあるエボリューションXにとって、4時間という長い決勝時間も大きく立ちはだかることとなる。

しかし一方で、この富士ラウンドから心強いアイテムが新たに投入されることとなった。
それはタイヤ。「オーリンズ・ランサーEVO」は横浜ゴムのADVANレーシングタイヤを装着して戦っているが、新たに従来のものよりも外径が10ミリ大きいサイズのものが用意されたのである。外径以外はこれまでと同じサイズであるが、この変更によって摩耗性能の大幅な向上が期待される。
車両重量の増加は摩耗の進行がエボリューションIXよりも早まる結果となったが、このハンディを克服できる強い味方の登場である。

 

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 昨年までよりも開催時期が早まったことで猛暑に悩まされることはなくなったものの、梅雨時ということで雨の心配がされていた第3戦。しかし幸いに金曜日以降は天候に恵まれ、4時間の決勝レースが行われる日曜日も晴れ、時折薄い雲が太陽を覆うもののとても過ごしやすい一日となった。
この好天にも誘われてか、決勝日は1万5千人のファンがサーキットに来場。お昼のピットウォークでは私たちのチームにも、心強い多くのご声援をいただいた。

 

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スーパー耐久に先立って行われたサポートレースで多重クラッシュが発生したことからタイムスケジュールは遅れ気味の進行となった。

そんな中、「オーリンズ・ランサーEVO」は朝のフリー走行終了と同時にクラッチ交換作業を行うという決断を下していた。これは同じエボリューションXで参戦するチームが金曜・土曜とクラッチトラブルに見舞われていた事を背景に、若干のフィーリング不良をドライバー訴えたことによる予防交換という意味合いが強い作業である。

無事にクラッチを新品に交換した「オーリンズ・ランサーEVO」、いよいよその勇姿をクラス3位/総合8番手グリッドに見せ、4時間におよぶ長いバトルの幕開けを迎えた。

スタートを務めるのは中谷明彦選手。好スタートを決めて先行車をあっと言う間に捕らえ、1周目のうちにクラストップの座に立つことに成功。実は今回、チームはスタートで燃料の搭載量を少なく抑えて軽量化を図る作戦を実行した。これは序盤でトップを奪って一気にマージンを稼ぎ、レースの主導権を握ったままでウィニングチェッカーまでマシンを運ぼうという戦略である。

今回の4時間耐久、ST2クラス勢は3回ピットインが基本。一般的には満タンスタート、1回目と2回目のピットインで満タン給油を行い、終盤に3回目のピットインで残り周回数分の燃料を給油、という流れになる。

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しかし私たちの作戦は、この3回目の分を一番最初に持ってきたということになる。ドライバーは中谷選手が2スティント連続で走り、後半を木下隆之選手が2スティント走行するという算段だ。
この作戦を提案したのは他ならぬ中谷選手。自らに大量マージンを稼ぐという重い使命を課す内容を自ら申し出ていたのである。


ところが順当にクラストップに立って間もなく、この作戦に【大きな狂い】が生じる展開となってしまった。
4周目、エンジンの下回りを保護するアンダーパネルが破損、多数のパーツを散乱させながら「オーリンズ・ランサーEVO」が走行しているとの情報がサーキット内に飛び交った。

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そして5周目、オフィシャルから破損箇所の修復を命じる「オレンジディスク旗」が提示され、それに従って「オーリンズ・ランサーEVO」は緊急ピットイン。

コース縁石を大きくまたいだ際に車体の下回りをヒットしてしまったのが原因、ピット前に停車したマシンをメカニックが取り囲み、ボディの下に潜って破損部品を取り外すなどの応急修理を迅速にこなしていく。

無事に修復を終えてコースへと再びマシンを送り出したものの、6分以上の停車時間を要したことから大きくタイムロスを喫してしまった「オーリンズ・ランサーEVO」。
この間にシリーズランキングを争っている37号車・ランサーがトラブル発生でマシンをコースサイドにストップ、一方で最後尾から追い上げてきていた13号車・エボリューションXの先行を許してしまった。

中谷選手は遅れを取り戻すべくチャージ、1分52秒台というハイペースなラップを重ね、8番手までポジションを回復して23周目に2回目のピットイン。ここではフロントタイヤを交換、燃料を満タン給油してステアリングは引き続き中谷選手が握って戦列に復帰。

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このあたりからST2クラス勢は1回目のピットインを行うマシンが現れ始め、26周目に13号車・エボリューションX、31周目にトップの56号車・ランサー、35周目には56号車に代わってトップとなった20号車・ランサー、その翌周には6号車・ランサーと、ピットロードは大賑わいとなる。

中谷選手は2スティント目もハイペースで周回を重ねていき、ひとつでもポジションを回復するべく執念の走りを見せる。

そして4時間のレースが折り返しを迎える頃、30号車・ランサーの左フロントホイールが脱落、3輪状態でピットに戻ろうとする姿が。さすがに3輪でバランスを取って走行するのは至難の業、コース上には足回りなどの部品を散乱させながらの走行となる。

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このアクシデントによりセーフティカーが導入された。
チームはこのタイミングを見逃さず、中谷選手にピ
ットインを指示。

周回数は56周を終えたタイミング、ピットに戻った「オーリンズ・ランサーEVO」には燃料が満タン給油され、タイヤは4本全てを新品に交換。
そしてドライバーを木下隆之選手に交代してピットを離れ、続いていたセーフティカーランの隊列に加わった。決勝はまだ折り返しを過ぎたばかり、まだまだこの先何が起こるか予想は出来ない。

そう思っていた矢先、セーフティカーがコースを離脱、レース再開を迎えた。
ところが再開して間もなく、トップ争いを演じていた20号車・ランサーと6号車・ランサーが接触、ダメージを負った両者は緊急ピットイン。この接触で6号車はリタイアとなり、過酷なサバイバルレースが本格的に牙を剥いてくる。

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レースが3時間を終えての順位はトップが56号車・ランサー、2位に最後尾から追い上げてきた13号車・エボリューションX、3位が26号車・ランサー、「オーリンズ・ランサーEVO」は4番手。
この後、全車が全てのルーティンピットインを終えると「オーリンズ・ランサーEVO」は20号車に次ぐ5番手となった。

いよいよファイナルへのカウントダウンが始まったコース上では、13号車と56号車が熾烈なトップ争いを展開。ピットワークで前に出た13号車を56号車が猛追、長く続いたテール・トゥ・ノーズ状態から111周目に56号車が逆転、遂にトップの座を奪還。
ところが、このまま初のウィニングチェッカーを受けるかと思われていた中、チェッカーまで残り8分を切った段階で56号車はトラブルに襲われて単独クラッシュを喫してしまった。

結果、13号車・エボリューションXが今季初優勝、「オーリンズ・ランサーEVO」は序盤のアクシデントを挽回して4位でフィニッシュ。
激しい生き残り戦となった富士ラウンドで貴重なシリーズポイント「10点」を獲得、ランキングリーダーの座を守りきることに成功した。

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