RACING

ROUND5 OKAYAMA-INTERNATIONAL CURCUIT
9月7日(日曜日)天候 晴時々曇 路面 ドライ

灼熱の太陽の中、マシントラブルにより敢え無くリタイヤ

IMG_6479.jpg2008年のスーパー耐久シリーズも後半戦に突入。第5戦はシリーズ随一の灼熱の戦いとして知られる岡山ラウンドである。

デビューイヤーながら第2戦で初優勝を飾っている「オーリンズ・ランサーEVO X」。シーズンの折り返しとなる前戦・十勝24時間レースでは厳しい戦いとなったものの完走を果たし、シリーズランキングトップの座を守り抜いて岡山の地へと乗り込んだ。

 

しかし、今大会の予選ではBドライバー走行時にマイナートラブルが生じたこともあって、グリッドはクラス3番手。対する37号車ランサーはクラスポールポジションを獲得、この時点でシリーズランキングでは「オーリンズ・ランサーEVO X」と37号車が同点でトップに並ぶこととなった。

 

日曜朝のフリー走行では、前日の予選で発生したマイナートラブルについて行なった対策の結果を確認、トラブルを解消したことが確認された。 

ところで気がかりだったのは空模様。今年の夏は「ゲリラ豪雨」なる言葉も生まれているが、突然の局地的な豪雨が全国各地で猛威を奮っている。

そして今日の岡山にも、若干不穏な風が吹いた。フリー走行終了から決勝スタートまでは5時間弱のインターバルがあるのだが、お昼が近づくに連れて冷たい風が吹き始め、上空を灰色の雲が覆って行ったのである。

 

IMG_6330.jpg決勝スタートは13時20分の予定、その前のコースインは13時ちょうどから。

コースインのおよそ30分前、ピットウォークが終盤に差しかかったころに、雨粒が落ちてくるのを感じたのだから堪らない。

ライバルチームも含めて誰もが天を仰ぎ、この先の空模様を分析する。

競技運営団は突然の降雨に備える意味もあって「ウェット宣言」を行ったが、結果的にコースイン間際になって灰色の雲はサーキット上空を去り、遠く向こうの空まで青空と白い雲が拡がることとなった。
 

IMG_6548.jpg結果的に気温は30度を超える厳しい残暑、なんとも岡山らしいコンディションの中で500kmの決勝レースがスタートを迎える。

今回も昨年に続いて三菱自動車工業水島製作所の皆さんが応援団を結成してサーキットまで駆けつけてくださり、グランドスタンドの一角を「赤い軍団」が占めていた。

ピットウォーク前には「オーリンズ・ランサーEVO X」の中谷明彦/木下隆之両選手もグランドスタンドの応援席を訪問、熱烈な応援に感謝を述べるとともに、必勝宣言をしている。

総合9番グリッドについた「オーリンズ・ランサーEVO X」、前には6号車と37号車という2台のエボリューションIXが並んでいる。

 

4周目で再び37号車が先行するも、まだまだ先が長い戦いだけに序盤から無理をすることなく周回を重ねていく中谷選手。しかし15周を過ぎた頃から厳しい暑さによって水温などに上昇傾向が見られるようになってしまう。

25周すぎにはコース上の特定箇所でエンジンの吹け上がりが悪化する症状に見舞われてしまい、タイムもそれまでの1分42〜43秒台から45秒台にドロップ。

仕方なく使う上限回転数を下げて数周を走行してクーリング、これが功を奏して症状は改善したことから、中谷選手はマシンを労りながら再びトップ争いの一角へと加わっていく。

 

IMG_6830.jpgその後は特にエンジンが機嫌を損ねることもなく順調に周回を重ねていき、46周目に予定通り1回目のピットイン。

燃料を満タンにすると、ピット停車時間短縮のためにフロントのみタイヤを交換、ドライバーを木下隆之選手に交代して戦列に復帰した。

 

この1回目のピットイン、その直前には6号車と20号車、直後には37号車とST-2クラス勢がピットロードを賑わせた。

しかし1スティント目をトップで終えた6号車はトラブルによりエンジン再始動に手間取り順位を大きく下げ、50周を終えた時点では37号車、20号車、そして「オーリンズ・ランサーEVO X」というトップ3になっている。

IMG_5073.jpg木下選手は3番手のポジションから徐々に前を行く2台との差を詰めていく。

30秒ほどあった差は少しずつではあるが詰まって行ったが、木下選手とピットをつないでいる無線装置にトラブルが発生していた。

このため、ピット側からストレート通過時に出されるサインボードで情報が伝えられていく。

 

特に大きなトラブルも無く淡々と周回を重ねていた「オーリンズ・ランサーEVO X」であったが、80周に差しかかったストレートで、木下選手がサインボードを出しているスタッフにピットインを訴えるジェスチャーを見せた。

 

無線が使えないため、どのような理由によるピットインなのかはわからないが、とにかくチームスタッフはマシンを受け入れる準備を急いで整える。

そこに滑り込んできた「オーリンズ・ランサーEVO X」。予定より10周ほど早いタイミングでのピットインだが、チームは表彰台獲得を目指して残りの周回に向けた作業を進めていく。

車両に備わるエアージャッキが車体を持ち上げる。タイヤの状態をチェック。摩耗状況から交換するかを判断する。車体後方ではジャッキの作動が完了したら燃料補給。

 

一通りの作業を終えた時、誰かが叫んだ。

「車の下、ガソリンが漏れてる!」。

 

IMG_7594.jpg「オーリンズ・ランサーEVO X」は安全燃料タンクというレース専用のタンクを車体の下につり下げる形で装着している。

燃料はタンクと配管を含めた総量で最大95リットルを搭載するが、床下タンクを装着することで車体重心を下げて運動性能向上を図っている。

 

その燃料タンクから、まさかのガソリン漏れ。

とっさにメカニックが消火剤を噴射、ピットは騒然となった。この適切な判断により火災の発生は免れたものの、レース続行は断念。

無念のかたちでレースを終え、シリーズリーダーの座を明け渡すことになってしまったが、残る2戦は連勝あるのみで挑む決意をチームスタッフ全員が胸に刻み込んだ。

過去のリポート


Copyright Test And Service, 2008. All rights reserved.