RACING
ROUND6 SUZUKA-CIRCUIT
11月2日(日曜日)天候 晴  路面 ドライ
大荒れの決勝レース、残り30周を残し無念のリタイア
1_1.jpgおよそ2ヶ月という長めのインターバルを過ごしてきた2008年のスーパー耐久。この間に季節はすっかり秋も深まり、北国からは初雪の便りすら聞こえてくるようになった。
宮城県・スポーツランドSUGO。レースウィーク中にカレンダーは11月に入り、パドックを吹き抜ける風には小さく”冬の足音”さえも聞こえてくるようである。

しかし、SUGO、そして最終戦・もてぎと立て続けに開催されるスーパー耐久シリーズは、ますます戦いがヒートアップ。特にST-2クラスはシリーズチャンピオン争いも一層激化、「オーリンズ・ランサーEVO X」もまだまだタイトルを射程圏内としながらの戦いが続いている。

金曜日の練習走行、そして土曜日の公式予選と電気系のマイナートラブルに見舞われてしまい本領発揮に至らなかった「オーリンズ・ランサーEVO X」。土曜日の予選終了後にメカニックが徹底したチェックを行った結果、トラブル箇所が発見されて同夜のうちに修復作業が行われた。

トラブルシューティングの結果を確認するために重要な時間となった日曜朝のフリー走行。中谷明彦選手と木下隆之選手が交互に駆った「オーリンズ・ランサーEVO X」は秋晴れの下、澄みきった空気を切り裂くように快走、このレースウィークを通じて初めてのクラストップタイムをマークする。

快調な走りはチームの士気を一層高める。フリー走行が終わって1時間ほどが経って始まったピットウォークでは、今回も大勢のファンがピットを訪れて「オーリンズ・ランサーEVO X」に熱い声援を送ってくれる。中谷/木下の両選手もファンの声援に応え、サインや記念撮影に快く応じて和やかなひとときが過ぎていった。

2.jpg今回の決勝はスタートが正午ジャスト。既に11月ということで日没も早い時刻となっていることを実感させるタイムテーブルが組まれている。
ピットウォークの賑やかさが去ったガレージでは、メカニックが黙々と決勝レースに備えて最後のマシンチェックを進める。

3.jpgそして時計の針が1分進むごとに、ピットガレージ全体がピンと張りつめた空気に支配さていくのである。

青空の下「オーリンズ・ランサーEVO X」を待っていたのは可愛らしい”グリッド・キッズ”。中谷選手が駆るマシンはクラス3番手/総合8番グリッドについた。

通常の手順に従ってスタート進行。メカニックの退去が命じられてマシンとドライバーだけが残ったコース上、緊張感は頂点に達する。
そして一斉にエンジンスタート、4B11エンジンも勇ましいエギゾーストノートを、みちのくの空に高らかに奏でる。ゆっくりと先頭のマーシャルカーがスタート、整然と2列に並んでいた33台の隊列が崩れてローリングラップ開始。

ゆっくりとタイヤを温めながらコースを一周、マーシャルカーがピットレーンに退くと先頭のBMW Z4Mのペースコントロールに従ってストレートを立ち上がってくる隊列、グリーンシグナル点灯を合図にスロットルは全開、いよいよ500kmの決勝レースが幕を開けた。

「オーリンズ・ランサーEVO X」は早々に前にいたST-3クラスの車両をかわすと、2周目の1コーナーでクラス2番手の56号車ランサーのインに飛び込む。エボリューションXとエボリューションIX、2台がサイド・バイ・サイドで2コーナーへとアプローチ、4B11エンジンのトルクフルな特性も活かして中谷選手が前に出てポジションを2番手にアップ。

これで前をいくのは37号車ランサー。ご承知の通りシリーズランキング争いでトップに立っているマシン、すなわち「オーリンズ・ランサーEVO X」にとっては目下最大のライバルである。

4.jpgしかしチームは今回のレース、勝負どころを後半に置いて作戦を立てていた。今期は十勝と富士を除いて全てが500kmで競われるシーズンとなっているが、同じ距離でも時期やコース特性によって戦い方は全く異なってくる。

比較的「先行逃げきり」がチームの勝ちパターンとして定着しているような印象を持っているファンの方も少なくないようだが、状況に応じた適切な判断をいかに出来るかは、速さのみならず”強さ”が求められるスーパー耐久シリーズにおいて重要な要素となる。

しかし、レースはそう甘いものではない。序盤から予想外の事態に襲われることとなったのだ。
13周目、中谷選手が縁石をまたいだ拍子にマシンの下回りをヒットしてしまい、マフラーが外れかかってしまう。このままではコース上にパーツを落下させてしまいかねず、オフィシャルから修復を命じるオレンジディスク旗が提示された。

21周目、緊急ピットイン。マフラーの修復を行うとともに、ロスタイムを挽回するためにタイヤを4本全て新品に交換、燃料も補給してコースに復帰。ポジションは2番手からクラス最下位にドロップしたが、まだまだ先の長いレースだけに逆転のチャンスは充分に残されている。

5.jpgだが、新たな試練が「オーリンズ・ランサーEVO X」に容赦なく襲いかかってきた。
中谷選手から木下選手への交代まで残り10周ほどとなったとき、突然にエンジンの吹け上がりが鈍ってしまったのである。無線で症状を訴える中谷選手。しかしタイム的には巧みな走りで他と遜色ないラップを刻み続けてピットイン。

ガレージに入れられたマシンをメカニックが取り囲む。調べてみると、なんとスパークプラグの一本について先端部の溶解が確認され、4気筒の4B11エンジンが3気筒状態に陥っていたのである。
戦い続けるには非常に難しい状況であるが、プラグを交換すると再びエンジンが目覚めたので、チームは戦列にマシンを復帰させた。

完全ではない状態のマシンを駆る木下選手だが、クラス最速レベルのラップタイムを刻みながら周回を重ねていく。この間に37号車ランサーがトラブルでリタイア、ランキングを争う「オーリンズ・ランサーEVO X」としては何とか完走を果たしてポイントを獲得したいところ。

しかし106周目、モニターにはコースサイドに停められた「オーリンズ・ランサーEVO X」の姿が。
深刻なトラブルを抱えながらも50周以上、距離にして200km近くを耐え抜いたことが奇跡と言っても良いだろう。
「オーリンズ・ランサーEVO X」は無念の二戦連続リタイアとなってしまった。しかし今回は他の上位陣も苦戦を強いられ、ランキング争いは拮抗する結果になった。
残る最終戦、チームはエボリューションXデビューイヤーの集大成として表彰台の真ん中を獲得するべく、全力で臨んでいく。

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